海外銀行口座・海外証券口座をもつ意義 ーなぜワザワザ海外に口座をもつかー
このブログでは、たびたび海外口座(銀行口座・証券口座)について触れています。
海外口座を持つメリット・デメリットをまとめてみました。
今後、海外口座を考えている方は参考にしてみてください☆
メリット
- 現地の証券会社だと、ほぼすべての銘柄にアクセスができる
- 現地の方が、様々な取引手数料が安い。
- 現地の情報を無料で見ることが出来る場合がある。
- 外貨を外貨のまま利用できる。
- オプションを行うこともできる(2020年5月2日より日本のサクソバンク証券でも可能となりました)
- 米国の証券会社ならば、DRIP制度(配当再投資制度)を利用できる(※2018年9月18日~国内証券のサクソバンク証券がDRIP取扱い開始)
- 日本国外に、外貨としての資産形成を行うことができる。
- いわゆる、日本の破産リスクに強い(日本がデフォルトしても大丈夫)
- 世界に展開している機関(HSBCやCitibankなど)だと、国際送金に強い。手数料が安い。
- 日本ではお尋ねが来るような海外送金でも、問題なく対応してくれることが多い。
- 日本という国がダークサイドに陥り、「資産税」という国民の資産に手をつけるような犯罪行為に走った場合、国外に資産を置いておく方が安心。
- 1年以上海外生活となった場合日本の証券口座を維持できないことがほとんどだが、海外の口座だと引き続き同じように投資が出来る。(日本の証券会社で積み立てなどを行っていると、海外赴任になればタイミングなど無視して売らなければならなくなる)
まず大きな意義として、国外に資産を持っているということ、特に外貨を国外に持っているということが大切なのです。
上記のように、日本がダークサイドに陥る可能性もあります。その場合、日本の機関で外貨預金をするのではダメなのです。
コロナの影響で、日本がダークサイドに陥る可能性はさらに上がってきています。
日本株を買うならば日本の証券会社で買うのが一番であると同様に、アメリカであればアメリカ、フィリピンであればフィリピンの証券会社を使うのが一番です。
当然ながら、現地の証券会社は全ての銘柄を網羅していることがほとんどです。
売買手数料についても、現地が一番安いのは想像できると思います(Interactive Brokersという例外はある)。
例えば、日本の証券会社を通じて中国株を購入する場合、日本の証券会社から中国の証券会社を通して購入することとなりますので、単純に二重の手数料がかかります。現地の証券会社からであれば、それより安いことが想像できますよね?
特に米国株に投資する場合、Firstradeならば株式などの売買手数料が無料となりました!!
オプションに関しては、取引量の多いもので勝負することが大切と思います。
例えば日経225ではなく、米国上場のSPYのオプションなどです。
これらを取引しようと思えば、基本的には現地の証券会社で取引する必要があります。
(Phillip Futuresなどの例外あり。また、2020年5月2日より日本のサクソバンク証券にて、米国株のオプション取引が可能となりました)
デメリット
- 現地窓口に行かないと口座が開設出来ないことがある。
- 日本語に対応していないことがほぼ全例。
- 口座への入金に、海外送金する必要がある(TransferWiseで解決できる)。
- 突然、口座を閉鎖しなければならなくなることがある。(Ameritradeの例とか)
- 問題が起こった時に、自分で解決しなければならない。
- 問題が起こった時に、現地窓口に行かなければいけないことがある。
- なんだかんだ口座開設にかかる費用も高くなる。
- 取引をしないと手数料がかかる、口座が凍結されるなどのリスクがある。
- 日本ではあまり見られない「口座維持費」がかかる場合がある。
- 投資の仕方によっては、日本の証券会社からした方がずっと安い手数料になることもある。
- 確定申告がほとんどの場合必要。当然のごとく特定口座などないので、自分で記録しておかないと後から相当大変になる。
- 海外資産が5000万円を超えると、実利益がなくても毎年申告しなければならない。
なかなかハードルの高いデメリットもあると思います。
基本的には国内の証券会社・銀行で完結させた方がいろいろな面で便利・わかりやすいです。
しかし、私が日本国外で銀行口座・証券口座を持っているのは、便利さやわかりやすさ以上のメリットがあるからです。
上記の「メリット」部分をよく見ておいてください。
最近は海外送金に関してもFintechの進歩によりデメリットが改善されてきています。
詳しくは下記の記事をみて欲しいのですが、海外送金ではかかることの多い「受け取り手数料」のかからない方法があるのです。最近はそのサービスも増えてきました。
つまり、海外送金に関して、デメリットは各段に減りました。
英語はカタコトでも話して、読み書きは出来た方がいいです。
何かの案内・確認事項等が来ても理解できないと話になりません。みんなに来るようなものであれば、誰かがブログで解説してくれるかもしれませんが、個別に来たものに対応できなくなります。自分からの問い合わせもそうですね。
私は、英語がスラスラしゃべれるわけではありませんが、ある程度は意思疎通が出来て、メールのやり取りは問題なくできます。その程度のレベルは欲しいところです。
実際、どんな人が海外口座が必要か
米国株で勝負する多くの人は国内金融機関でもいいと思う。ただ…
例えば米国株の現物については、現在海外口座で投資する意義は薄れてきています。
マネックス証券、SBI証券、楽天証券、サクソバンク証券のいずれかに口座があれば格安で米国株投資が可能だからです。
なにより、特定口座に対応しているので確定申告もラクです☆(※サクソバンクは特定口座に未対応)
さらに、2018年9月18日からサクソバンク証券が米国株・中国株(香港・上海・深セン)・欧州株を取扱い始めました。
特定口座こそ対応していませんが、DRIP・Scrip Dividendに対応して、手数料は国内最安。取扱い銘柄数も国内一。
国内証券会社の革命も起きています。
しかしFirstradeは、更なる革命を起こしています!!
何と取引手数料が無料になったのです。
英語での取引が出来て、確定申告が出来る人はFirstradeでの投資をおすすめします。
手数料無料とはそれほどにも大きなものなのです。
オプション取引をしたい(※2020年5月2日から状況がかわりました)
オプションをする人は基本的には海外の証券会社にて取引を行う必要があります。
上記の3つはオプションにも対応しており、特にInteractive Brokersは24か国の株式、先物、オプションなど一つの口座で様々な商品に対応しています。
ただ、サブタイトルの通り、2020年5月2日より日本の証券会社である、サクソバンク証券が米国オプション取引に対応しました。
その点ではサクソバンク証券がいいようには聞こえますが、米国オプションをするにしても手数料無料のFirstradeをお勧めします!!
オプションについては、KAPPA先生の本がわかりやすいです☆
日本の証券会社が扱っていない銘柄
日本の証券会社が扱っていないような銘柄を見つけて、それに投資したいという人も海外に持つ意味があると思います。現地の証券会社だとほとんどの銘柄にアクセスが可能だからです。
米国であれば、Interactive BrokersやFirstrade、上記のフィリップ証券・フィリップフューチャーズや、アジアに強いMonex BOOM、フィリピンのCOL Financialなどがあります。
世界中に資金移動する必要がある
国際送金に強いのは世界展開している銀行です。
HSBCは英語さえ片言でも話せれば開設できました(私は2016年10月)が、年々難しくなってきています。
Citibank USはあまりおすすめしません。どうしてもCitibankがいい方は、お金があればシンガポールや香港のCitibankで口座を持った方がよいと思います。タイのCitibankでも高額であれば開設できるようです。
オフショア金融商品・保険の受取を有利にしたい
オフショアの金融商品・保険を契約している人もいると思います。
例えば香港。
私も契約しています。
香港で積み立てたオフショア保険が満期になった場合、もちろん日本の銀行に送ってもらうことは可能です。
しかし、現地で受け取った方が手数料が格段に安いということは想像の通りです。
日本の銀行でもSMBCプレスティア等であれば外貨のまま受け取ることが出来ますが、日本円でなければ受け取ることが出来ない銀行もあります。
香港の銀行口座があれば、一番安い手数料で、外貨のまま受け取ることが出来ます。
好きなときに日本円や香港ドルに両替することができ、クレジットカードがあれば資金を日本に移さなくてもそのまま日本で使うことが出来ます。
このような方々は、確実に香港の銀行口座は持っていた方がいいと思います。
希望別のおすすめ
米国株投資がしたい(現物株)
普通に米国株投資(現物)を行うならば、国内証券会社がおすすめです☆
海外送金する必要もなく、日本語での取引が可能です。
ただし、米国の証券会社に比べると手数料は高いです。
1取引0.45%ー最低5USD(サクソバンクのみ0.20%ー最低5USD)なので、手数料負けしないようにするならば、1取引1,111.11USD以上が望ましいです。数銘柄を毎月積み立てる、といった投資法であれば、1銘柄1ヶ月1,111USDずつ積み立てなければいけません。
手数料はばかにならないことが分かりますね。
しかし、特定口座に対応している(サクソバンク証券のみ対応していない)ので確定申告も楽チンですし、日本語ですべての操作が出来ることが大きなメリットとなる人もいると思います。
つまりはメリットとデメリットの兼ね合いで、国内証券会社に優位性がでることもあります。
2018年8月23日からFirstradeが株式・ETF等の売買手数料を無料化しました。これによって米国現地口座のメリットがグンとあがりました。
これに必要なものは、Firstradeの口座、米国現地の銀行(MUFGのUnion Bankがオススメ)、TransferWiseです。
この3つがあれば最強に近いです。
Interactive Brokersも普通の株式投資のみでも、突出したメリットがあります。次に説明する、レバレッジをかけた株式投資が可能という点、1つの口座で世界中の株式に格安で投資が出来るという点です。手数料も格安(1取引約1ドル)。
つまり、一言に米国株投資といっても、成長株を買ってHoldする!といった場合と、スイングでトレードしたりドルコスト平均法で数銘柄積み立てるとかバリュー平均法などで売買回数が多い場合は有利な金融機関が変わるということです。
取引回数が少なめで、1回の投資金額が高い場合:日本の証券会社でも
取引回数が多い場合・こまめに買って行く場合:米国現地の証券会社がベター(Interactive Brokers、Firstradeなど)
それとは別に、国外に資産を置いておくという意味では、海外証券会社がいいですね☆
米国株のDRIP(配当再投資制度)を利用したい ※追伸あり
米国の証券会社+サクソバンク証券だと、DRIP(配当再投資制度:Dividend ReInvestment Plan)を利用することが出来ます。
私の開設しているInteractive BrokersやFirstradeでも利用できます。
この制度のいいところは、その銘柄が配当を出す際にその額分を手数料無料で株を購入してくれることです。
なので、株数が「100.2株」などという現象が起きます。
問題なく取引できますので安心してください。
これを利用すれば、手数料無料でどんどん保有株が増えてき、複利の恩恵を存分に受けることが可能です。
DRIPを利用するには、Interactive Brokers、Firstradeなどの米国証券会社に口座を持つ必要がありました。
が、2018年9月18日から国内のサクソバンク証券が米国株を取扱いだし、DRIP・Scrip Dividendに対応しました!!国内証券初です!!
レバレッジをかけて外国株投資がしたい
断然、Interactive Brokersをおすすめします。金利の安さが半端ではないからです。
日本の証券会社でレバレッジをかけて外国株の投資が出来るところを僕は知りません。
素直に、Interactive Brokersにしましょう。
これは、米国株に限らず、シンガポールやオーストラリアなどでレバレッジをかけた投資をする場合もInteractive Brokersがイイと思います。
シンガポールREITでのシュミレーションもしているので参考にしてみてください。
オプションがしたい
オプションをするならば、Interactive Brokers、Firstrade、Phillip Futuresなどに口座を持つ必要があります。
ただ、2020年5月2日よりサクソバンク証券が米国オプションに対応しました。日本語がよくて、手数料を気にしない方は、こちらでもよいと思います。
しかし、Firstradeであればオプションの手数料も無料です。断然こっちですよね☆
新興国の個別株に投資したい(有名どころだけ)
新興国のなかでも有名な銘柄にしか投資をしないならば、国内証券会社が楽ちんです。
SBI証券はロシアなども扱っており、かなり国際的な印象です。私の持っている証券口座で、ロシアを扱っているのはSBI証券だけです。SBI証券は持っていていいことしかない証券会社です☆
楽天証券は中国株(香港)、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアに対応しています。楽天ポイントでの投資信託購入など総合的な会社ならではの特徴を活かした素敵なサービスと使いやすさが特徴です。
楽天にどっぷり浸かっていいと思います(笑)
マネックス証券は米国株に強いですし、中国株(香港)にも投資可能です。国内で唯一のモバイルアプリである、Tradestationのモバイル版は死ぬほど使いやすいです。悶絶するほどです。
知っている方もいると思いますが日本の証券会社であるアイザワ証券であれば多数の国に国内から投資することも可能です。
アイザワ証券が対応している国
ドイツ、フランス、オランダ、スペイン株のほんの数銘柄
中国、韓国、台湾、香港、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、マレーシア、インドネシア、イスラエル
ただし、国内証券会社では、為替手数料・取引手数料が高くなる傾向があります。
新興国の個別株に投資したい(様々な銘柄に投資する、手数料を安く投資する場合)
国内証券会社が扱っていないような銘柄に投資をするならば、現地の口座・Internationalな口座がいいです。
1つの口座で複数の国にアクセスできるというメリットは計り知れないものがあります。(実際、SBI証券、楽天証券も新興国に対応していて優秀なんですよ!!)
フィリピンであればCOL Financialが対応してくれました。
世界を飛び回るので各国で銀行口座を持ちたい 海外送金も安くしたい
HSBCをおすすめします。
どこかの国にHSBCにプレミア口座をもつと、各国のHSBCプレミア口座を無料で作ることが出来ます。最低預金額を満たしていなくてもよいのです!!
どういうことが出来るかというと、
例えばPT(Permanent Traveler, Perpetual Traveler)となった場合で、香港・シンガポール・マレーシア・フィリピンなどを転々としているとします。
HSBC香港でプレミアであれば、各国にHSBCのプレミア口座を作れます。その口座間の資金移動は無料~格安となるのです。(フィリピンなど、国によっては多少の制限あり)
そして、各国でプレミアの顧客としての優遇を受けることが出来ます。
最高に使いやすいですね!!
ただ、HSBC香港の口座開設は年々難しくなってきており、英語が話せて書類も準備しているのに口座開設が断られるケースもあるようです。
行動は早めにこしたことはありません。
オフショア金融商品・保険の満期受取用
香港であれば、HSBCが一番有名ですね。
口座開設は年々難しくなってきており、英語が話せて書類も準備しているのに口座開設が断られるケースもあるようです。
香港のスタンダードチャータード銀行で口座を持っている人もいますよ。
オフショアと言って一番に思い浮かぶであろうシンガポールにおいて、日本居住者が銀行口座を持つことはほぼ困難と思われます。数年前まではよかったですが、年々厳しくなりました。
何事もやるならば早めの行動です
是非参考にして海外口座に挑戦していただければと思います。
先ほどのシンガポールの銀行口座のように、年々新規の口座開設が厳しくなってきています。
私は、10年後になって後悔したくないと思い、運用資金も少ないにも関わらず国外の証券・銀行口座を作りました。手数料を多少払ってでも海外の口座を持って資産を運用しているということが重要と考えたからです。
そして、何度も強調しますが、最低限の英語でのコミュニケーションは絶対に必要です。
サポート会社にお願いして開設するのも手ですが、英語でのコミュニケーション能力がゼロだと、メールであればなんとかなるかもしれませんが、重要な電話がかかってきた時に対応できません。
口座開設後のことも考えて、ある程度の英語力はつけておきましょう。
以上、皆さんの参考になれば幸いです。
不明点などあれば相談ください。
海外資産に対する注意点
日本の居住者である限り、海外で得た利益も日本で課税されます。
利益が出た場合は、必ず確定申告は行いましょう。
脱税はやばいです。
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